昨日の不倶戴天の敵は 今日の刎頚の友

日がな一日世界の傍観者となって独り言をのたくった跡

ボルドー展に行ってきた

 本当は先週行く予定だった。

 今日は茶坊主の役は免除してもらい(客人は1人だったから)、目的を誤魔化して行ってきた。落ち着きがなかったのは言うまでもない。

 

 ボルドーとくれば先ず思い出すはワイン。という方は多いのではないだろうか?実際出品目録でワインに関わるものはわざわざその目印が付いていた。そして音声ガイドが案内人がかの有名な田崎真也さん。

 勿論ワインに興味がなくとも、十分愉しめる作品が山盛りです。

 

 古来から栄えてきただけあり、作品は2万5千年前のものからありました。ローマ帝国が形成される前やユダヤ教キリスト教が伝播する前の欧州って、意外に面白いんですよ。

 現在ではキリスト教などのモチーフとされてしまっているようなものも、それ以前の前から存在しているものも多いことが分かる。それはケルト文化を見ていてもそう思う。勿論島、大陸に区別なく(ケルト文化には島のケルトと大陸のケルトと大きく二つに分けられることが多い)。

 

 先史、古代(ローマ帝国支配下)と来た後、時代は一気に進み18世紀へ。中世のものもあるにはあったが、欧州は中世は暗黒時代と言われていただけあり、そう華々しいものはなかった。

 18世紀ともなれば大航海時代の真っ只中。各国の政府公認の私掠船(要は海賊だ)なども横行していたし、現在なんかよりもさも当然かのように奴隷売買のやり取りがされていた時代。

 そんな闇黒な部分にちょこっと触れつつ、如何にボルドーで文化が煌びやかに花開き発展していったかが作品を通して伺えます。この時代は、オーストリアの継承者問題及びスコットランド史を知っている人ならちょっと穿った見方も出来るかと思います。

 

 それからフランス革命を経てロマン主義へ移行していく過程で、今回の目玉の一つであるドラクロワの《ライオン狩り》と対面することに!

 175×360と大きな作品なんですが、これを所蔵していたボルドー美術館が火災に遭った時に一部消失していて、完全な作品ではないのです。それでも物凄く迫力ありました。

 しかしながらこの作品の全景を、なんとルドンが模写していたので、実際どんな作品だったのかを知ることは出来ます。勿論そのルドンの作品も展示されていました。

 

 これが終わると近代に向けてワインのエチケット(ラベル)や試飲に対する心得といったようなマニュアルなどの展示が続く。

 試飲カップは地域ごとに特色があり、ボルドーのは朝顔の花のような形が特徴なのだそうだ。他にはワインの格付けなるものが制定されたのは18世紀とのことなのだが、その格付けのランキングは今日に至るまで変わってはいないそうだ。ただ一つの例外を除いては(20世紀に1等級にシャトー・ムートン・ロートシルトが加わったのが唯一の例外だとか)。

 

 ワインについてとうとうと述べるのなら、10月から始まるワイン展の宣伝もすれば良かったじゃあないか?と思ったよ。同じ上野というか隣同士に等しいのだからさ。

 今回の展示は高齢者と外国人が特に目立った。子連れもそこそこいた。そんな中、鋭い質問をして母親を困らせる男の子や父親の噛み砕いた説明を一生懸命聞く女の子というのがいたのだが、同性ペアの親子は見なかった。たまたまなんだろうけれど、ちょっと不思議だった。

 

 本日のお茶。

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 お茶は西湖龍井。

 お茶請けは中国産の栗。商品名は紫禁城甘栗。黄色いパッケージで、たまにイベント出展などで見かける。