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昨日の不倶戴天の敵は 今日の刎頚の友

日がな一日世界の傍観者となって独り言をのたくった跡

安田靫彦展に行ってきた

日本史 日本文化 美術館・博物館

 最終日。図録が売切れてしまっていたのは残念だ。


 日本画が好きな人でこの人を知らないという人はまずいないといっても過言ではなかろう。で、名は知らずとも美術に興味は無くとも、日本の義務教育課程を踏んだ人なら、この方の絵は必ず一度は目にしたことはある。と言い切れるくらい有名な人。
 明治生まれで14歳から絵を描き始め91歳まで描き続けたことに加え、それぞれの時代の大きな出来事を肌で感じてきてだけあり、絵の色調などが様々に変化します。

 

 メインは黄瀬川陣の屏風。左隻が義経で右隻が頼朝で一揃いのもの。画面の空白から受け手(鑑賞者)が何を読み取るかによって、印象がかなり異なってくるかと。
 歴史上人物が様々出てきましたが、作品名プレートを見ずに分かった方がおりました⇒聖徳太子豊臣秀吉森蘭丸山本五十六元帥。一番最後は写真などで見たことがあるので兎も角として、あとは見た事も無いのに何でだ?と自分でも疑問に思った。恐らく自分の脳内でパターン化されているんだろうな。アトリビュートで判断がつくが如く。

 

 ザ・刀剣展で菊池契月が描いた楠公父子の片幅《楠木正行》を見ましたが、ここでも《小楠公》と称された正行を見ました。双方ともすっきりとした色彩の若武者として描かれておりましたねー。心優しく素直な一方結構激情家。馬の名手と伝えられているものの病弱の偏頭痛持ち。足利義詮にべた惚れされて、現在もお隣同士で眠っております(義詮の遺言による)。
 余談はさておき、後醍醐天皇の作品もありましたが、衝立に隠れており、冠と衣の一部しか描かれていないので、『太平記』の霊夢を知らないと読み解けない。作品は1枚の中に夢と現(うつつ)がぼかしによって巧みに表現されている。
 南朝絡みでもう一点、《後南朝自天王像》というのがありましたが、後南朝はまだ大まかな流れを掴みきってはいないので、どちらさんですか?という状態(←教養が足らなすぎだよ)。

 

 著名な歴史人物だけではなく、風俗や中国の故事を題材にしたものもあり、色々と愉しめました。年配の人が多かったのは、やはりこの人が生きて絵筆を握ってきた歴戦(?)の証なんだろうな。  
 ショップにおいて、もっとポストカードの種類があればなとは思った。

 

 途中化粧品の臭いにやられて、咳が止まらなくなったというのが会場内で幾度かあったので、あまり意味は無いと思うが、運悪く同じ空間に居合わせた方々にここでお詫び申し上げます<(_ _)>