昨日の不倶戴天の敵は 今日の刎頚の友

日がな一日世界の傍観者となって独り言をのたくった跡

土木展とヴェネツィア展に行ってきた

 9月も終わるってんのにまとわりつくような暑さの中、とことこっと21_21デザインギャラリーだったかな?に行ってみた。


 土木、それは或る意味、物作りの最も大きな単位だと思っている。一時的にはと言え、国家を目視的に作り上げて、可視化させていく仕事。素晴らしいじゃあないですか!

 生活の根幹的、基盤的な部分を担うのにも関わらず、ブルーカラーってだけで蔑まされてしまうが、彼等無くして現在の建築や生活、経済的な多重構造は成立しないよ?

 

 内容は普段意識していないインフラというものを可視化させてみよう。という体験型の展示。マンホールの中から道路を臨むとか、左官屋さんの仕事の仕上がりを手で触ってみる等々。
 そんな中でも凄かったのが、渋谷駅の木造模型。こう、骨だけで見るとえっらい複雑怪奇な地下構造だなと改めて思った。
 他に凄いと思ったのがダム・カレーのお話。日本にはダムマニアがいるという話はよく聞くが、ダムの構造をカレーで現すその手法には恐れ入った。

 

 冷静に思い返してみると、物理と数学で数式に落とし込まれているものを身体で味わってみた。というものなのだが、専門雑誌なども販売されていて何だかディープな側面を知ってしまったなと思える展示でもあった。
 ショップで現在版地下足袋が売られていたのだが、サイズが無くて断念した。欲しいんですよ地下足袋。山や山城巡り用に。

 

 で、思ったよりも早く出てこられたので、近くの国立美術館で行なわれているヴェネツィア展へ。
 誰もが知っているというわけではないにせよ、つい、こう見ていたくなるような作品が山盛りのヴェネツィア絵画に囲まれて幸せでした。4m超の祭壇画も来日していたが、その絵1枚の為に1部屋使っているのに、ベンチが端の方に寄せられていたのはちょっと残念だった。

 

 肖像画のコーナーは当時の世相や風俗、時代背景を知っていないと理解出来ない部分が多いと感じた。それに関して特に解説などが無かったので人の流れは速かった。意図的にそうしているのかもしれないが、折角良い作品を持って来ているのだから、少しは引き止めても・・・とは思った。

 

 作品数は少なかったものの、じっくりと見ていたい作品が多かったので意外に時間が掛かった。
 そして帰りには山手線運転見合せという憂き目に遭う・・・・・・。