昨日の不倶戴天の敵は 今日の刎頚の友

日がな一日世界の傍観者となって独り言をのたくった跡

どばーっと雨が降ったので

 昔のブログからネタを拾ってみました。一部削りはすれどもほぼ原文まま。なので話が古いのは許容していただけると幸いに存じます。

 

2007-07-11(水) お、意外と多いんだ

 (前略)  タイトルの意外と多いの主語をご説明しませう。

 

 主語⇒海水淡水化装置。

 

 現在自分が持っている情報は2002年のもので、情報というには古いのだが、専門ではないので、そこは御寛恕を。

 

  日本は水が豊富というイメージてーか、幻想がある。

 2000年頃から渇水現象が全国的に頻発している。それは、日本において稼動中の淡水化プラントが生活用だけで60ヶ所以上あるという事実が表していると言える。ちなみに02年の生活用だけの淡水化プラントの造水能力は、14万4300t/day(つまり日量14万4300t)程。

 

 で、一体どんな方法があるのかというと以下。()は略称。

①多段フラッシュ法 Multi-Stage Flash Distillation (MSF)

②多重効用法 Multi-Effect Flash Distillation (MED) ③逆浸透膜法 Reverse Osmosis (RO)

④膜蒸留法 Membrane Distillation (MD)

⑤電気透析法 Electro Dialysis (ED)

⑥蒸気圧縮法 Mechanical Vapor Compression (MVC)

⑦冷凍法 Freezing Process (FP)

 

 多段フラッシュ法は現在市場のシェアの8割を占めているといわれている。RO法はエネルギーロスが抑制できるとして、新規のプラントに積極的に導入されているという背景を持っている。

 7つ方法全てを説明してもいいんですが、割愛。  

 

 装置の種類の話はここまでにしておいて、市場の話を少々しようかと・・・・・・。

 

 シンガポールは2011年にマレーシアからの水供給期限が切れるので、下水再利用のニューウォータープロジェクトと共に海水淡水化事業が着々と進んでいる。

 水不足に悩む地域、アラブ諸国のように水源確保の為に海水淡水化事業を重要視している国、地下水の過剰汲み上げと毛細管現象により地下水と土壌の塩害が悪化した地域・・・・・・・需要はいっぱいあるわけだ。

 

        ただ

 

 海水から淡水を分離するということは、鹹(から)いミネラル分が残渣として得られる。それは一体どうなってしまうのか?海から採れたものだから海に還せばいい。という問題ではなかろう。

 第一、海水1tに対してどれくらいの残渣が生じるのか?自分が現在手にしている情報の中には、そのことについて一切触れてはいない。

 

 そして、忘れてはならないのはエネルギーの問題。

 海水から淡水を得る工程には、熱なり電力なりが必要である。それは化石燃料から得ているのが現状。

 当然、資源の問題や温暖化対策が必要となる。そんな中その対策の一例として注目されているのが、原子力の発電以外の熱利用。どういうことかご理解いただけるだろうか?

 これから発展する、現在発展中の地域にとって、或る意味これは願ったり叶ったりの一例であることを。

 何故なら、水資源確保とエネルギー源確保という、一挙両得を狙えるからである。

 

 かつて世界中がそうであったように、「原子力=万能エネルギー」という無知が蔓延(はびこ)っている地域に(別にそういった地域に限った話でもないが)原子力導入に関する技術移転が実行されたら・・・・・・。

 怖いことになると思いませんか?例え安全性や長期的な環境への影響に充分に配慮したとしても。  

 

 以上、独り言の説明終わし(←独り言だったんかいっ!)。

 

  あ、本日はお茶はしておりません。某メーカーの新搾りグレープフルーツを飲んでしまったので・・・・。