具体的に何だか分かっているので、香るの方が相応しいのだが、敢えて薫るとする。
湿度が高くなるにつれて、匂いの存在感は増す一方だ。
夜帰宅時に、夜気と雨の匂いに紛れて自己主張する花がいる。6月の花は数あれど、誰しもが知っていてそう珍しくもない花といえば、月下美人、柘榴、そして梔子だ。
しかしながら、栗同様月下美人や柘榴の花の香はお世辞にも好ましい香りとは言えない(個人的な意見もあろうが)。
食材(色付けや香り付け)として使われることもあってか、自分の中では最も梔子が馴染みのある香りである(とても好きというわけではない)。
雨の日の夜にその香りに気が付くと、梅雨時なのだなという事を再認識させ、ひっそりと古い引き出しから記憶を引き出すかのような感覚に覆われる事がある。
梔子の花詞は「とても幸せです」、「喜びを運ぶ」、「洗練」、「優雅」。引き出された記憶の中には直接結びつくことはないが、記憶を懐かしいと思えるという事は、その記憶が背負っている時代(時間)はやはり幸せだったのだろうなぁ。と思う。当時の感情は兎も角として。
さて、では本日のお茶でも…。
お茶はプラチナドロップの水出し(ラスト)。お湯出しで、正直ヤブキタ種でこげなもん作るなよっ!?というくらいのランクのもの。を水出しにしてみた次第。
お茶請けは京都府京都市は亀屋良長さんの満々。小さいながら存在感が物凄い。お茶が負けてしまったのは惜しむらくことではあるが、甘夏を使った逸品である。そしてこの季節にピッタリ。
柑橘系のお茶請けを探しているのなら、是非1度お試しを♪