場所は全部上野じゃ。
一つ何かを辿ると芋蔓式に引っ張ってきてしまうのが歴史。そんな中にも転換期というものがある。
日本人の審美眼や感性の根幹の一部を形成しているのが禅。正直これを抜きにして日本史は語れないし、理解も出来ない。
禅というのは中国のイメージが強いが、元々はインドの仏教から派生したもの。教えの根幹は仏教であるものの、中国と日本で発達したとも言い換えられるだろうかな。
この展示は特に禅そのものに興味がなくとも楽しめる。なんでかってーと、国宝22件、重文102件に加え禅に帰依した伊藤若冲の作品2点が特別出品されているから。あと禅と縁深い戦国武将達に絡む出品作品なども多い。
鎌倉時代末期から室町時代初期、勿論跨って南北朝の史料も多いので、当世の日本列島ほぼ全域を巻き込んで救いなんぞ無い戦に明け暮れていた時代の別の観点を得ることも出来るので、そういった時代に興味がある人にはいいと思う。かく言う自分も胸中ミーハーやっとりました(笑)。
展示も時代を追って、宗派別に分けられているので見やすい。創建に当たって関連した人達も明記してあるのだが、何だか『太平記』やその関連本で見た事ある人多数・・・・・・。
仏教から派生したということもあり、仏さま達もおられますが道教の神様も取り入れられています。なんかもう、いいや混ぜてしまえ。神が一柱増えようと構やしねぇ!!というのを、日本ではなく中国から伝わってくる。これは出品されている像を見た方がより分かり易いかと。
最終章に当たる禅の文化は障壁画・襖絵、茶の湯、水墨画など日本美術好きなら馴染みのあるものが多いので、楽しめると思いきや、作品と距離を置くにしても他の作品の視点とクロスしたりするのでなかなかにうまい具合に観ることが出来ない。仕方ないっちゃあ仕方ないとはいえ、少し残念だったな。
ショップではポストカードの種類がもう少しあればとも思った。
アロマサンプルは無かったものの、お香を購入してみた。
階下で南太平洋の生活展をやっていたのでそっちも目通ししてみた。もう既に現地には無いものなどもあるそうだ。
その土地で最も強いものが、現地の人の祖だったり神ないしはその使いというのは、世界各地どこを見ても共通のようだなとも感じた。
昔の生活や感覚が新しく流入してきたものによって、融合ではなく否定されたり滅ぼされたりすることを独自文化の何化というのだろうか・・・・・?
日本だと欧米化っていうが、新しく入ってきたものや概念は必ずしも優れているわけではないんだよなぁ。
平成館から本館へと場所を移動して、平安の秘仏展に行く。
滋賀県甲賀市は櫟野寺(らくやじ)の大観音とみほとけたちと題されまして、10世紀~12世紀つまり平安時代のみほとけたち20体と対面を果たしてきました。
勿論中央に居わすのは4mを超える十一面観音菩薩坐像。禅展において神気に中てられてぐのんぐのんしている状態にトドメキタヨ・・・・・・。
いずれも寺外初らしく、時代の流れと共に甲賀式という独特の様式をじっくりとご堪能下さいとな。
世田谷美術館に高野山の金剛力士(だったかな?)が展示されたことにも驚きだが、これもどうやって運んだんだ!?と思いましたね。
像の殆どは観音様です。他に毘沙門天(1軀)、薬師如来(1軀)、地蔵菩薩(3軀)、十一面観音菩薩(4軀)、吉祥天(3軀)。
上野恩師公園の大広場では伊賀上野NINJAフェスタが開催されていました。イベントなどを調べたりすることは先ず無いので、偶然とは恐ろしいものよのぅなどと思いながらこの展示の後そちらに向かった。が、暗くなっていた所為もありくるりっと物産エリアを見て回っただけ。何かを食べても良かったが、後で響くと思って食べなかった。
中てられた倦怠感が抜け切っていなかったようで、電車の中では熟睡。帰宅してお茶をし始めたところで徐々に回復した。
本日のお茶。
お茶は静岡の深蒸し煎茶。
お茶請けは奥多摩名物へそまんじゅう(がっつり系)。と武蔵御嶽の名物きび大福(甘みあっさりの上品系)。
その2。
麿さんリクのバングラのミルクティー。
お茶請けは見ての通り。お茶に合うが、どちらかというとあっさり目のお茶向き。自分が好きではないものが使われていたため、ちょっとしょげた。いや、分かっちゃあいたんだけどさ・・・・・・。