花冷え。しかし上野は染井吉野が盛りだった。
晴天だと綺麗だったんだろうけれど、まぁそれでも綺麗だと思う。
上は染井吉野だが、下は分からない。
そういや国立西洋博物館がえっらい綺麗になっていました。が、園内にあったレモンの木は切られてしまったようだな。花の香りは好きだったんだがなぁ。あと、園の外を囲んでいたツツジも全てなくなっていました。別になくさなくても良かった気がするのだが、手入れの問題かね?
して、今回の目的地は都美術館。
目玉はフェルメールが風俗画に転向して間もない頃に描かれたといわれる《窓辺で手紙を読む女》の修復後、所蔵館以外での初公開。
画家自身が塗り潰したと言われていた箇所が、実は画家亡き後何者かによって塗り潰されたことが判明。そしてクリーニングや塗り潰し部分の除去、修復を兼ねて4年の歳月をかけてほぼ当時の姿を取り戻した。
塗り潰された壁の下には別の絵があったことは40年以上前には知られていたようだ。
分析機器の進化や科学的な進歩を経て今回こういった結果になった。そこに至るまでの説明が、展示の中で簡単になされていて、まとめ方が巧いなと思った。
修復前の作品も展示されており、比較しながら見ることも出来たのだが、違いが明確で経年劣化スゲー。と思った(←オマエ感想がソレ?)
修復前の複製画製作者はザビーネ・ベントフェルトさん。
塗り潰された後に彼の後世、自分等の前世(ぜんせい)が様々な手法で写した作品もあったのだが、18世紀後期には既に塗り潰されていた。ちなみに作品そのものは17世紀中期に描かれたもの。
しかもその作品はフェルメールではなく、レンブラントの作品とされて所有されていたそうだ。で、その後レンブラントではなくホーホ?の作品とされ、恐らく最終的にフェルメールの作品として現在に至る。
フェルメールの作品を見慣れている人には分かるかもしれないが、彼は同じモチーフを繰り返し描いている。当時の流行や依頼主の注文を反映してかもしれないが、それでも多いように感じる。
と言いたいところなのだが、フェルメールの真筆と認められているのって、世界に35点しかないんよ。それでも同じモチーフが描かれたものが数点あったとしたら、多いと思わん?尤も自分専門家でも造詣が深いわけでもないので、間違っているかもしれん。
目玉はフェルメールの作品なのだが、レンブラントの作品もあるしメツーの作品もある。あと、鳥のラファエルの異名を持つ、メルヒオールの作品も来ている。
オランダと言って外せないのがニシンなのだが、ニシン画あった。ポストカードにもなっていたら勿論買った。
風俗画って当時の世相とか反映していて面白い。当時を知らないと読み解けないものもあるけど、それはそれで分かると面白い。
ウィンタースポーツが強いイメージがあるオランダだが、来ていた作品の中にはホッケーの原型をやっている殿方の姿と思しきものもあれば、市井の人のスケートやそりをしている姿のものもあった。
しかし、16世紀の中世のあの格好でスケートをする人って色んな意味でスゴイわ~。
気になったのが農夫が喫煙している絵画あったこと。確かに大航海時代だから知っていてもおかしくはないが、一介の農夫が買える値段だったのかな?と。
煙草自体が欧州に入ったのは15世紀も終わりの頃。で、16世紀以降爆発的に広まったそうだ。但し今と違って嗜好品というよりはむしろ医療薬としてだが。
なので、嗜好品ではなく医療品として嗜んでいたのか?と、まぁ疑問は尽きない。
後半には宗教画もあるのだが、当時流行していただまし絵もあるので、好きな人にはいいかもしらん。ただ、歯医者の絵画は当時の治療を考えると((((;゚Д゚))))ものではあるが。
ついでに、価値が分からない人が手にするととんでもない使用をされるのだなという例もあった。
有名な絵画なのだが、持ち主がそれを理解していなかったが為に浴槽の蓋として使われていたという来歴を持つ絵画があった。んー、まぁ、無事でヨカッタネ。どこの世代でも価値を見出されなければゴミと変わらんからな。
来日していた作品は70点と少ないのだが、内容は濃いので結構時間はかかった。会期末期というせいもあるんだろうけれど。
見終わった後はショップでいつものようにポストカードを購入して、帰りは地元で買い物をして、長葱と大根菜をリュックから生やしながら帰宅しました。
本日のお茶。
暑かったのでお茶ではなくジュース。