昨日の不倶戴天の敵は 今日の刎頚の友

日がな一日世界の傍観者となって独り言をのたくった跡

インドの仏展とダブル・インパクト展とグエルチーノ展と世紀末の幻想展に行ってきた

 サボタージュ1日目は上野へ。全展前売り入手済み。鳥獣戯画展もだが、それは持ってこなかった。

  1インドの仏展                                              場所は東京国立博物館表慶館。ここは以前もスリランカ仏教展をやった。
 本当は行く気はなかったのだが、パキスタンでダム工事が始まり、何万とある仏教壁画や遺物がその工事の為に全て潰されるというのがニュースになり、アフガンにも仏教地域があるのだからパキにあっても不思議はないわな。なら行ってみるか。と思って前売りを入手。
 仏教以前の信仰レリーフが一番始めにありました。ここでも菩提樹は聖なるものとして扱われていました。あまりしっくりとこないのだが、神聖視されるにはそれなりの理由があるんだろう。でも自分には分からない。英語だとリンデン。で、欧州の神話や民間伝承にもしばしば出てくる。ただ、やっぱり自分にはよく分からない。ついでに菩提樹の蜂蜜は美味しい。

 仏陀の誕生で様々な姿形、一生のうちの重要なシーンの切り取りなど描かれ、模(かたど)られるようになった。これらは日本人にも馴染みがあるものが多い。
 菩薩やその他の神(土着の神や蕃神など)も取り入れられ、様々な形態になっていく像なのだが、その中で興味深かったのがハーリティーこと鬼子母神とその夫パーンチカと子供を模ったものが2種あった。ほぼ同じ時代のものなのだが、作られた地が異なり、一方はギリシア彫刻の影響を色濃く受けたもの。もう一方はそうではないもの。とが並んで展示されており、その違いに瞠目した。同じ時代でこれだけ違うのか!?と驚きましたさ。

 

 像の他は型にはめて抜いた塼仏(せんぶつ)、仏塔、経典がありました。
 経典は小さくて見辛かったのだが、拡大図を見てよくこんな小さいのにこれだけ描き込んだなーとちょっと呆れた。そのエリアにはアミダくじのコーナーが設けられていたことも追記しておく。・・・・・・ダジャレかよ。

 

 仏教信仰の繋がりとしてミャンマー仏教関連物が展示されていたが、仏像はかなり独特だった。あとは打ち出しの銀の細工や漆器の超絶技巧は凄いとしか言いようがない。いや、本当にこれはもう。それ以外言葉が見つからない。銀細工はネパールもレベルが高いのだが、ネパールのものは今回なかったです。

 

 密教の世界では彫刻技術の高さにただただ関心。
 現存数が世界に数体しかないものや、レモンを持った神様もおりました。当世の高級品だったんだろうかねぇ?持っていたのは財宝の神様だったから。
 インドから来ていたもので最も新しいものは14世紀のものでした。それを知るにはもっと当地の歴史なり変動なりを知るべきだろうね。

 

 ショップでニルギリとお香(とても安かった)を購入して、表に出てお昼にしました。
 あ、前述のパキのダム工事だが、国内に専門家が少ないというのと殆ど知られていないが故、完全無視してぶっ潰す方向に動いているようです。だからパキの国内専門家は国外に対して訴えていく方法しか手がないと言っている。アフガンの知られざる仏教遺跡群も銅山開発の為に潰す方向で動いている(移せるだけ博物館に移動させるつもりらしいが)。ちなみにここは中国資本がメイン稼動。

 

 2 ダブル・インパクト展
 場所は東京藝術大学ボストン美術館と藝大のコレクションのみで明治ニッポンの美を比較展示してみよう。というコンセプト。
 有名どころばかりだが、好きな人にはたまらないだろう。例えば河鍋暁斎、三代歌川広重、チャールズ・ワーグマン、五姓田義松、柴田是真、揚州周延、小林清親狩野芳崖、橋本雅、下山観山、菱田春草横山大観など。
 明治時代から少し外れたものもあるが、基本は明治時代。国際的な背景にも触れているので、国内のジャーナリストなりが現在ダーイシュがやっている既存文化の滅殺行為というのが、明治時代の日本に例えられるのも分かる気がしないでもない。
  
 チラシに使われている菅原道真天排山祈祷図は強烈でした。日本は官位が高い人ほど怨霊になった時の力が強力という考えがあったので、「ぅ~わぁ・・・・(汗)。」と思ったよ。
 同じくチラシに使われている神武天皇立像ですが、イロンナイミデ衝撃的デシタ。・・・・・・デケェ!!(台座含めて3mくらいか?)そしてその彫りの滑らかさに驚嘆。

 

 柴田是真の蒔絵も素晴らしいのだが、是非に!とお勧め出来るのが千種之間天井綴織下図。思わずその優美さにうっとり♪現在でも色褪せないそのデザインの高さは素晴らしい。全く知らない人は誰が明治のものだと信じるだろうか?
 他には旭玉山の人体骨格。グッズに使われており、笑いを誘ってくれる存在です。あ、売り上げにもちゃんと貢献しているとの事です。

 そうそう、次に藝大で開催される展示は冥土のみやげ展だそうだ。夏らしく幽霊画の展示。 

 

 3、グエルチーノ展、世紀末の幻想展
 チラシを見て、これは観ておかなければ。と思って行ってきた。殆どがチェント市立美術館からの貸し出し品。この美術館は12年5月に地震被害に遭ってから閉館したままで未だ復旧の目途が立たないのだそうだ。写真も展示されていたが、壁が崩壊していてスゴカッタ・・・・・・。この展示は震災復興事業を兼ねているとの事です。
 
 大きな絵画が多く、展示作品は44点と少ないものの見応えたっぷりです。画風もローマ滞在をはさんでがらりと変わっているので、心境の変化なども楽しめるかと。
 自分としては魂抜かれたように眺めていたい作品が幾点かありました。色もそうなのだが、表情が何とも言えずたまらないものが多かった。しかしそういう場所に限って休憩できるようなベンチがなかった(哀)。あ、中には見ていたくない、見るからに痛そうなものもあった。


 新しい価値観は旧来の価値観を否定することから始まるのだろうか?この画家の価値観が否定され忘却に彼方に押しやられた時代があったのは残念な気がする。数十年前から再評価され、再び日の目を見ることが出来、また自分も目にすることが出来、嬉しい(←自分の感性に響いたってだけなんだが)。

 

 常設展に展示されている、ヨハネス・フェルメールに帰属が提唱されている(確定ではない)《聖プラクセディス》を鑑賞した後、世紀末の幻想 近代フランスのリトグラフエッチング展を鑑賞しました。こっちまで来る人はあまり居らず、監視員さん暇そうでした。彫刻室にいる監視員さんとどっちが暇だろう?
 この展示は目録がないので作品名などが思い出せないのだが、フランスにおいてポスターが一世風靡した時代なので、挿絵はともかく広告の構成などは目を引く構成で、見ていて興味深かった。幻想的かどうかを聞かれると、どうだかなぁー?というものの割合が多いように感じる。男性視点で女性に対して(分かった上で?)幻想を抱いているなら、そう見られなくもないな。というのが素直な感想だね。 


 とまぁ、展示を見終えた後、散在する覚悟で日本百貨店本店に行きましたさ!!破滅街道まっしぐら♪勿論新茶が高くつきました。さえあかりが30g1500円、つゆひかりが50gで900円(いずれも抜税価格)。・・・・・・いいんです。飲みきれない量を購入して持て余すよりは(←でも懐には大打撃)。 

 

 本日のお茶。

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 お茶はダージリン1stフラッシュ、ジュンパナ茶園のワンダー・マスカテル(ラスト)。お茶請けは嵐山(らんざん)のプリン。埼玉県だったか?

 正直合わん。それぞれ美味しいのだが、あっさり同士のため以下略。

 

 あと、風呂上りにコレ。

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 ジャムのようだが、ネクター

 

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 クリスタルアイスを浮かべてみました。葡萄のように見えるが、ブルーベリーだよ。炭酸水で割った方が美味しいかも知らん。このままだと濃い。かなり濃い。相当濃い。めっさ濃い。