昨日の不倶戴天の敵は 今日の刎頚の友

日がな一日世界の傍観者となって独り言をのたくった跡

河鍋暁斎・暁翠展と人体展に行ってきた

 起きたら11時だったんだよね・・・・・(大滝汗)。

 人体展に行ってから河鍋暁斎・暁翠展に行こうとしていたんだ。人体展の混みようが凄いと知っていたので。しかし閉館時間の関係で河鍋暁斎・暁翠展を先にした。

 

 河鍋暁斎・暁翠展の開催場所は八王子にある東京富士見美術館。結構良い展示を開催しているのだが、なにぶんここ遠い。ということに加え、客のマナーの悪さがハンパナイことが多い。

 

 静嘉堂美術館や世田谷美術館も駅からは遠いが、それでも歩いても20分程だ。千葉市立美術館や群馬県立近代美術館水戸市近代美術美術館、原美術館も比較的遠い方だが、以下同文。

 しかしここは徒歩で行くと45分掛かる。しかも途中のひよどりトンネルはトンネルだけあってイイカンジに黒くなるぜぃ。

 

 待ち時間なしで某バスと鉢合わせたようなものなので、そちらを移動手段として使った。

 

 最近増えてきたんだよね。企画展示でも一部写真OKというところが。ま、情報を拡散してね。ということらしい。

 お金を使う傾向が、物よりも経験。にシフトしている所為もあるんだろうけど。

 

 ここから先は偏見という名の見解展開。

 

 日本よりも海外での評価が高い河鍋暁斎とその娘の暁翠ですが、日本での扱いは酷いもんだよ。

 近年見直されてきてはいるけど。去年も春頃に展示があったしね。こちらはイスラエル・ゴールドマンさんのコレクションでしたが。

 

 幕末から明治期を生き抜いた画家達って、マルチクリエータータイプが多いんだよね(悪く言うと節操なし)。

 今までの技術が消えゆくとか、新しい技法や画材などが入ってきたりしてごっちゃくちゃしていた時代。

 色々試してみよう!という人もいれば、先ずは国内の色んな流派をかじってみようという人もいたわけで、河鍋暁斎・暁翠親子もそんなタイプ。他には柴田是真もかな。

 

 明治期ってダーイシュも真っ青な国内の文化の叩き潰しを行なった時代。

 文明開化なんて綺麗な名前付いているけどさ、実態はただの暴力革命。まーそこまで横暴に権威で叩き潰さないと根底に近い部分なんぞ変えられないってこった。

 

 で、海外が進展しているのは自国の文化を大切にしているからという主張をして(有名なのは岡倉天心ですな)、それが通ったが故に壊滅しないで済んだ。

 その反動か、一つの流派を突き詰めていった人達は日本美術史を新たに編纂するに当たって大事にされたけど、革新的なマルチクリエーター達は排除された。

 

 オエライサンに限らず、「自分の知らないものに価値は無い。」という批評家や専門家が多かったとみる。

 大体そういった人達って海外で評価が高いとか、その世界の権威的な人が評価したりすると平然と手の平返す。確か岡本太郎もそれをやられたはずだ。  

 

 たーだー、現在は情報量が物凄く多いので、自分の知らない(興味のない)ものは(自分にとって)価値は低い。と一線を引いておいた方がいいと思う。が、そこで常識レベル(所謂一般教養というやつ)まで切り捨てるのはただの愚か者だけどな。  

 

 話を元に戻して。

 展示の構成は源流となった流派の作品がちょこっとあり、そこから伝説に事欠かない河鍋暁斎に触れ、普通なら残らない下絵や、画法の展示。

 あ、源流となった流派の中に、国芳の《四條畷の戦い》の大判錦絵5枚続があった。にやにやしていたのは言うまでも無い。こういったのがあれに影響を受けると、あぁいったイラストや詩を書いてしまうわけだ。有機物の化学変化恐るべし(←・・・・マテ、大いにマテ)。

 

 ベースを整えたところでどんな画を展開したのかをどどんと公開。

 デザイン画や団扇絵、包装紙や便箋、本の装丁といった原画(初公開ものも)多数。いずれも残りにくいものばかり。

 

 娘の暁翠も同じような感じで色々と展示されていました。二人して評価が高いのが能や狂言画。特に暁斎は自ら習って演じてしまう+素人ながら実際に舞台で演じるレベルのお人。

 実演こそなかったが、父から英才教育を叩き込まれている暁翠。

 共に画における「間」が臨場的。うまく言葉には出来ないけどね。

 

 日本的なものって、「間」や「隙間」といった、一見【無】とも取れる時間と空間の関係によって巧いか下手かが決められるところがあると思う。

 こういったのって、無によって充填されるというかね?

 

 二人の仕事を追っていった後、最後に待つは現代に「伝」えられし、河鍋家秘蔵品及び暁斎・暁翠が現在に残した影響。

 これは漫画や織物、アイシングクッキー(シュガーデコと言った方がいいか?)などがありましたね。

 ちなみに↓これは暁翠の作品。

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 猩々×100人。

 

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 これは日清戦争の錦絵。

 当世これを描いた女性画家は彼女一人だけ。

 

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 七福神による石鹸の宣伝…。

 

 以下はアイシングクッキー(作品群の一部)。

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 暁斎・暁翠の父娘が見直されつつある現在、この分野は今後もっと延びてゆく可能性が高いですな。

 

 展示を見終えた後は上野に移動。バスで八王子まで戻って中央線で御茶ノ水まで行った後乗り換えて秋葉原。そしてまた乗り換えて上野。1時間半くらい掛かったかな?

 

 訪れしは人体展。

 NHKや朝日新聞の解体を望んでいる人た来ていないよね?彼等主催者だからね。

 

 分かっていたけど混んでいた。てか、この手の展示は混む。そして子どもも多い。そして写真撮影が出来る箇所が多い。

 といえども、あまりの混雑に撮影している人は少なかった。

 

 2/3まで来て残り時間30分を切ったので、あとはさら見。大体こういったのって、後半が難しいか面白いことが多い。電子顕微鏡の目から見た体内画像はじっくりと見たかった。

 

 人体の詳細を見たり知ったりすることに関して、気持ち悪いと思うか綺麗と思うかは人それぞれだが、この展示を見ながら思ったこと⇒子どもは比較的気持ち悪いとか怖いと思う傾向が強い?実際に泣き叫んじゃっていた子もいたし。

 大人は興味深そうに見ているか怖いもの見たさの2系統に分かれると感じた(聞こえてくる会話から判断した)。

 

 会場を後にして、電車内でぐったりしていました。ま、当然といえば当然か。起きて稼動してた間、体内に注入したのは紙コップ1杯の緑茶だけだったから(←こういうのを莫迦と言ふ)。

 しかし晩御飯は通常量。降ったり止んだりする雨が鬱陶しくて傘すらささずに行動していたので余計体力消耗していたのに、だ。愚かの極みですな。

 

 本日のお茶。

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 流石に身体は冷えたようなので、のプレミアムチャイを作ってみた(ラスト)。

 お茶請けは頂き物のチョコレート菓子(チョコレートは身体を温める為)。