ん-といっても、そう怖い話じゃあないんですけどね。先ず語彙力ないことを先に断っておきます。そして無駄に長いです。
海外にも知られている日本の某有名観光地に行った時の事です。様々な山にアタックできるということで登山家も多く、かくいう自分もそのうちの1人だった。
登山仲間(仮にK氏としておく)と自分と2人、池の畔に立つ星降るホテルというところに泊まった。星降るホテルという肩書きを持つだけあり、周囲にそのホテル以外に何もなくまた人工灯も一切なかった。
夕食時にホテルの人が「夜池に下りられるように懐中電灯をフロントに用意しております。また玄関の自動ドアは…(以下略)。」と言っていたので、2人して「行ってみようか。」という運びになった。
時間見ていなかったので何時か覚えていないが、そう遅い時間ではなかったと思う。
下りるに当たってK氏はヘッドライトを持って行ったのだが、自分はフロントに懐中電灯があるだろうからそれを借りて行くつもりでいたので、ヘッドライトは持って行かなかった。
後悔したね。
電池切れかけなのかどの懐中電灯も殆ど灯りがつかなかった。K氏は「1つ(ヘッドライト)あるからそれでいいじゃん。」と言って先に行ってしまったので、部屋に戻るのを諦めて後をついていくことにした。
池に下りる階段の段差が凄く、心許ない懐中電灯でもないよりはましといってつけて行った。
池を前に首をぐるりと巡らせてみたら、下りているのは自分ら2人しかおらず、後続者もいないことが確認出来た。
星は確かにとても綺麗だった。風も全くなく水面に揺らぎは一切見えず、そして無音だった。漫画で言うならシーンという擬音が入っている状態だろう。
季節は真夏だったが高地の山間部だけあって寒かったのは事実なんだが、なんかそう物理的な寒さじゃなくて薄ら寒さを感じた。
立ち枯れの樹があったりして幻想的で綺麗なはずなのだが、池を見ていると何か、何て言うのかな?皮膚感覚が少しずつ狂っていくような感じというのか、何かコレジャナイ感があった。
寒いから戻ろう。とK氏に声を掛け、先に行ってもらった。
施錠されていない手動ドアを通り、自動ドアを抜けてフロントに懐中電灯を返却して、部屋に戻るのにエレベーターか階段かどちらかを使うか話していたところ、いきなり自動ドアが開いたので2人して振り返った。
が、誰も入ってこなかった。そして誰もいなかった。
階段とエレベーターは並んでおり、その場所はフロントや玄関から十数m離れてはいるが遮蔽物が全くないので人がいれば分かる。野生動物は普通に考えれば手動ドアは開けられないので野生動物であるはずがない。それから自動ドアが開く前、手動ドアの開閉の音も全くしなかった。
K氏と顔を見合わせてもしかして何か付いてきた?と目で会話をし、さっさと部屋に戻って寝ることにした。念の為に持ってきていた水晶のお守りを枕元に置くことも忘れなかった。
翌朝そのホテルを後にして暫く歩いていた時、K氏が神妙な声で「昨日誰かと会話していた?」と問われたので否定したら、口ごもりながらこんなことを話してくれた。
夜中に話声がするから、キラズの寝言か誰かと話しているのかと思って目を開けたら、キラズはぐっすりと眠っており、寝言も発していなかった。で、声のする方に目を向けてみたら、キラズの足元で3人くらいの人のようなものが会話をしていた。とのこと。会話は日本語のようで日本語ではなく、内容までは聞き取れなかったと。
勿論当の本人はそんなことがあったなんて全く知らなかった。そしてK氏は自分に起きていたことを知らなかった。
自分、違う時間帯にすっと目が覚めたんですよ。一旦寝ると朝まで1度も起きることのない自分が。
隣からばさっと音がしたので、結構派手に寝返りを打っているな~。等とのんきに構えてK氏にふと視線を投げやると、K氏の上に何か不定形をしたものが乗って飛び跳ねていた。
暗くて見えない筈なのに、何故か暗緑色をして弾力のある何かがこちらに背を向けて暴れている。というが瞬時に理解出来た。それと同時にあ、これ見ちゃダメなヤツとも理解して、布団の中に潜り込んだ。
未だにソレラが何だったのか分からず、その後ソレラに絡むような怪異はないのだが、再びそのホテルに泊まりたいか?と問われれば、即答は出来ないな。
文章に書き起こしてみると怖くはないのだが、経験した当時は怖かったので、このお題にエントリーしました。
例の如く、本日のお茶といたしましょうか。
お茶は台湾南投県の杉林渓金萱 特級 蜜香 夏摘み。平成29年(2017年)賞味期限の為熟成が進んでいる。
お茶請けは台湾の鳳梨酥。
合うかな?と思ったが、これの後に食べたドライドマンゴー(カンボジア産)の方が相性好かった。相性が悪いわけではないので、結局は好みの問題かな。