昨日の不倶戴天の敵は 今日の刎頚の友

日がな一日世界の傍観者となって独り言をのたくった跡

THE HEROES 刀剣×浮世絵展と金魚絵師 深堀隆介展に往ってきた

 のっけからオカルト的な展開してますんで注意。えぇ、もう側(はた)からするとキケンなヤカラにしか思えないです、はい。

 

 ボストン美術館からの里帰り。は、いいのだが、日本生まれのほぼ日本育ちにアメリカの風味を加味すると、こんなにも変わるものなのか…?

 何がって?⇒付喪神共が喧しい。里帰りで浮かれているのだろうか?

 自分の宿りを視る力そのものは凡人そのものなので、実際視える人からすると凄いんだろうなと思う。

 ちなみに全点写真撮影OKです。

 

 開催してから日が浅いのと平日なので、そう人が多いわけではなかったのだが、会場内に足を踏み入れた途端、どう見ても視界以上の人の気配が感じられた。ということは、付喪神以外に何がいるだろうか?ということで前述の結論に落ち着いた。

 特にボストン美術館が所蔵している約600口の日本刀の中から厳選された刀剣が、ぎゅぎゅっとまとめて展示してある領域は、「オマエラかーっ‼」と言わずにはいられない雰囲気。

 一番古いものは古墳時代のもの。状態が良かったので研磨に出されたのだが、この付喪神?既に人の形を成していなかった(;゚Д゚)

 体幹は分からんが、両翼拡げて自身を包んでいるような恰好でした。

 全員視えたわけではないが、我を見よ~!てなタイプや、ふふん、綺麗だろ。てなタイプがいましたね。中にははしゃぎまわっているのもいたけど。比較的輪郭がはっきりしていたのが、べ、別に見なくてもいいからねι| |ヽ-゚)チラッとか、見てほしいし褒めてほしいけど素直じゃないタイプだろうか。

 刀剣に関しては日本から出展しているものも見応えあるものばかりです。

 

 元々人の形をとっている浮世絵や鍔は、それを映した事象や人物に引きずられる傾向が強いので、それとは違う形の付喪神の形状を取ることは先ずないですね。と言っても自分がそう視えていないだけかも知らんけど。

 

 展示は刀剣と浮世絵を繋ぐ形で、浮世絵の物語をイメージして作られた鍔が展示されていました。

 時代ごとの英雄というか、色んな意味での「HERO」がピックアップされており、それが神代から戦国時代(16世紀)の川中島の戦いまで続く。

 そしてその後は歴史上の人物を軸としながらも、物語の側面の色を濃くして展示が展開される。同じ題材で能や歌舞伎などの切り口を知っていると、より愉しめるかと思います。ストーリーも簡単な説明が4コマ漫画でされているので、おさらいにもよいかと思います。

 

 刀剣についてふと思ったのが、南北朝時代は全国的に相州伝が広がった時期なのだが、これは足利尊氏が原因と考えられる。

 本人の意思の有無に関わらず、文字通り南船北馬した武将が彼だからだ。

 逃亡劇?を展開するに当たり、刀工も一緒に連れてりゃ伝播する原因の一端を担うわな。

 材料が均質化されていなかった時代で、質より量の時代で、別派の技巧を間近に見る機会があったかもしれないだろうし、そこに「りすぺくと」が加わったとしたら化学変化を起こすのは当然(?)だ。ちなみにここでいうリスペクトは、写しを鍛刀するとは別の意味合いでの「respect」。

 巧く説明出来ないが、前者は「esteem(輿望)」、後者は「reverence(崇敬)」の意味が加味されるだろうか?もっと平たく言うと、時系列的に平面的な尊敬と立体的な尊敬。勿論そこには自尊心(ライバル意識)もしっかりと組込まれる。

 

 ショップに行って、再現したんかーい!と胸中ツッコミを入れたのがヤシオリノサケ。

 初級者から上級者向けと3種類あったのだが、工程を考えると納得いくお値段だが、高いと感じる人は多いんじゃないかな?高級なもんばっか飲んでいる人はどうだか知らんけど。

 アルコールが問題なければ飲んでみたいとは思ったが、ダメなんで存在の認識だけはしました。

 

 ショップを背にして前を見たら、いい天気でございましたわ~。

f:id:runningwater:20220204153248j:plain

 時計を見たらビミョ~な時間だったが、日時指定じゃないし意外と近場だからってんで、上野の森美術館で開催されていた金魚絵師 深堀隆介展へ。最終日だが平日だし、そう鑑賞に時間かからんかな?と思って行った。…鑑賞時間は90分近かった。そして人が多かった。

 

 深堀隆介氏は2.5次元の絵師と言っていいだろうか?

 枠に樹脂を薄ーく流し込み、それが固まったらアクリル絵の具で金魚の一部分を描く。その上に樹脂を流しこみ、また金魚の一部を描く。を繰り返して金魚絵を描いていく。時間がかかる上にやり直しは利かない。

 そんな彼の代表作は金魚酒↓

f:id:runningwater:20220204153737j:plain

 夢静と命名されています。

 館内の照明の関係上、色が沈んだようにも見えますが肉眼で見るととても鮮やか。

 

 近年はライブペインティングも行っており、描かれたのがこちら。

f:id:runningwater:20220204154055j:plain

 この方、2次元で描く時も基本は重ね塗りです。

 

 刀剣×浮世絵の展示とは異なり、こちらは撮影出来る場所が3ヶ所のみ。

 その3ヶ所目というのが、3次元展示。

f:id:runningwater:20220204154338j:plain

 これはその一部。

 実はこの画像、右側が天井です。が、敢えてこの状態でもいいかなー?と思って貼り付けました。

 

 この展示は切り口によっては環境問題にも通じるので、人によって受け取り方が多重になったりするでしょうな。ただ綺麗なだけじゃあない。言葉少なに多くを語るというわけではないが、それはただ存在するだけ。その存在を以ってして多くを語る。個人としてはそういった印象を受けました。

 何を語るのかはその人の引き出しに起因するだろうけれど。

 …Σ(゚◇゚;)ア゛!!自分の頭の程度がバレるじゃねーかっ!(←何を今更…)

 

 キャンバスに向かうのが嫌で、別の素材に描いていた時期のTシャツなども展示されていましたが、欲しいのが幾点かありました。惜しむらくはそれらが商品化されていなかった。

 

 帰宅時に買い物をしつつ帰ったのはいいが、体力ないんだなというのが実感できて、気落ちしたという実感もおまけとしてついてきた。

 

 して、本日のお茶。

f:id:runningwater:20220204155720j:plain

 お茶はダージリン1stフラッシュ。スプリングディライトだったかな?

 お茶請けは上はご存じ?五島列島名物かんころ餅。所謂さつまいもで出来たおはぎ。

 下は長野県佐久市はカナメヤ製菓さんの揚げ団子。くるみ醤油味。

 

 お茶に合ったのはかんころ餅だが、揚げ団子も美味でした。揚げ団子は焙じ茶が合いそうですな。

 

 かんころ餅を購入したのは出展店舗だったのだが、話をしていて「九州出身ですか?」と言われた。何故?関東だとそんなにマイナーなのか?

 かんころ餅ではなく、かんころ飴なら子供のおやつで食べていたことがあるが、うちの近い血筋に南の出身はいない。

 郷土料理はともかく、郷土菓子の物産販売だと当地の出身に間違われること多いんですよね…。何で⁉(思い当たるとしたら母の影響か?)