昨日の不倶戴天の敵は 今日の刎頚の友

日がな一日世界の傍観者となって独り言をのたくった跡

ギルガメッシュと古代オリエントの英雄たち

 『ギルガメッシュ叙事詩』、それは世界最古の物語。ギルガメッシュは5千年くらい前に実在した古代オリエントウルクの王。死後700年くらいに神格化されて物語になったもの。源氏物語も真っ青だ( ̄▽ ̄)

 

 んでまぁ、古代オリエントってどこ!?という方にざーっくしと説明いたしますと、現在のイラク辺り。ティグリス川、ユーフラテス川を中心とした文明の地といえばお分かりになるかと。メソポタミアとかヒッタイトアッシリアバビロニアって教科書で目にしたこともあるかと。

 

 で、『ギルガメッシュ叙事詩』とは、古代にそこであったウルクギルガメッシュと野人エンキドゥの、(暑苦しい)友情物語(←いや、その説明はどうよ?)

 ウルクは世界最古の都市で、O.T(旧約聖書)にも出てきます。世界最初の文字が生まれた場所でもある。

 

 展示はギルガメッシュ叙事詩よりも、むしろその舞台を細やかに説明。遺跡の保護に関して、地元民と協力して自衛隊もお手伝いしていたことにもちょこっと触れておりました。確かに長期的な復興支援ですな。

 

 支配民族が入れ替わり言語も立ち代わりという地域ではあるのだが、叙事詩は継承され、標準版というのまで編まれた。

 物語が書かれた粘土板というのも見つかり続けているので、この物語がどこまで伝播していったのか、またそれが交易範囲の手掛かりになっていたりと興味深い。ついでに日本は1点だけ所有している。

 フリ語という楔型文字で書かれている断片。フリ語自体もよく分からん言語らしく、ミタンニ国やヒッタイト帝国で使われていたという事くらいしか分かっていない。

 

 舞台の紹介として、先ず世界の中心地だったウルクの過去と現在についてから始まって、その後BC5千年前(日本でいうと縄文時代)の衣食住、墓、戦いについて。

 下地説明が終わったら、ギルガメッシュ以外の古代の英雄及び物語に登場する神々について。

 ギリシア神話ローマ神話の神様のごちゃ混ぜ感を想像していただければ、訳の分からなささが伝わるのではなかろうかと…。同じ神様の名前を色んな言語で読んだり、地域神で似たような特色の神様を合わせたりするもんだから、もうねぇ…(←単に記憶力の問題だろう)。

 

 有名な神様を一柱挙げておくと、イナンナことイシュタルでしょうかねぇ?愛と戦いの女神。メソポタミアの神々って配偶神を持ち、男女ペアであるのだが、この神様は持たないんだよね。

 基本的に愛を司る神様って、気性が激しい。で、若くて綺麗な男の子・青年好き。嫉妬深いことも多く、ついでにご本人浮気性ときたもんだ。それで戦いまで司る。感情的に切れて戦いを引き起こすこともしばしば…(;゚Д゚)

 そーいや北欧神話フレイヤも地上で戦いを引き起こす役を担ってんだよな。理由?ヴァルハラの戦士の館にラグナレクに備え、有能な戦士を集めるため。彼等を館に迎え入れるには一旦死んでもらわにゃならんので、効率よく死んでもらう。生き延びればその分スキルアップという事にもなるしな。

 

 主要な神様の紹介の後に古代の英雄たちとその物語が紹介された。名前挙げとくと、エタナ、サルゴン王(ナラム・シン)、ハンムラビ、トゥクルティ・ニヌルタⅠ世。有名なのはいいとこサルゴン王とハンムラビだろうな。特に後者は知らないと恥というレベルではない。小学生ならまだしも。

 ギルガメッシュ叙事詩を始め、それらの物語は聖書の他その後に続く文学作品に多大な影響を見て取れる。『イリアス』や『オデュッセイア』もそうだが、アレクサンドロス大王イスカンダル・ルーミー)がヒズルに会うのも多分その影響だろう。

 ヒズルはモンゴルやウズベク、タジク、キルギスチベットの伝承にも見られるので、これも影響に含めてもいいのかな?もし出会ったら親指を握れ♪(←マテ、大いにマテ)

 

 して、『ギルガメッシュ叙事詩』は子供の頃に読んだが、ギルガメッシュがイナンナを拒絶して世界に争いが齎(もたら)された下りは、似たようなのが『ラーマヤナ』にもあったな。とか(原因はラクシュマナなんだが)、野人(エンキドゥ)がビールを飲んで文明人になるってナニ⁉とかそんなことを思って読んでました…って、嫌な子供だな、オイ。

 

 子供向けにはエンキドゥが死んだ後、ギルガメッシュが深く嘆き悲しんだという記述しかなかったのだが、展示で死を受け入れられず横たえられたその遺骸の傍で7晩に渡り嘆き悲しみ、埋葬を拒否したため遺骸から蛆が湧いてしまいやむなく埋葬を許可した。と知って『雨月物語かーい!』と胸中突っこんだ(話違うかも知らんけど)。

 

 展示会場の半分はギルガメッシュ古代オリエントの英雄たち展だったが、もう半分は常設展でした。

 映像もあったが時間がなくて見なかった。ついでに言うと音声は日本語だが、字幕が英語ではなく朝鮮語だったので見なかった(ノースコリアで北朝鮮なら、コリアで朝鮮だろ。言語同じなんだから朝鮮語)。

 日本語聞きながら字幕の英語を読むというのをしたかったのだが、朝鮮語分からんしな。せめて中国語だったらなぁと思った。

 

 それから場所は古代オリエント博物館。つまり池袋。博物館に行く前に献花もした。

 隣の公園でイベントの準備をしていたのだが、警備員さんに事情を話して例の場所に行き、献花と祈念だけはしてきた。お彼岸だしな。あ、警備員さんは快諾して下さいました。有難うございますm(_ _"m)

 その後その公園にいたにゃんこさんに話掛けられましたので、ついと顔を近づけたら冷たい鼻を鼻頭に押し付けられまして、顔にすりんと毛玉アタックを食らい、ピンと伸びたシッポでぱしこっとはたかれました。…な、懐っこいのぅ。

 

 本日のお茶。

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 牛乳と、冷蔵庫から発掘したモノ。

 

 その2。これもお茶ではないんですが。

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 ギリシアのオレンジジュース。美味しかったのでもう1本と思ったら、もう売ってなかった(´;ω;`)ウゥゥ

 お茶請けはベレ氏からせしめた、東京都世田谷区はNAOKIさんの焼き菓子。