昨日の不倶戴天の敵は 今日の刎頚の友

日がな一日世界の傍観者となって独り言をのたくった跡

ビーズ展とボタニカル・アート展に往ってきた

 世界最古の装飾品にして、現在も作られ使われているビーズ。

 ビーズと聞いて大方の人が想像するのはガラスビーズだろう。画像のようなね。

 

 して、そもそも「ビーズ」とは何ぞや?

 展示は先ずそこから始まる。乱暴にまとめてしまうと穴の開いた(穴を開けた)素材。それがビーズ。

 この展示では繋ぐだけではなく、飾ることや魅せることも含めて展示を展開しておりました。

 

 そこから素材別にビーズが紹介される。

 素材は植物、卵殻、貝、歯・牙、土・虫・珊瑚・鳥の羽根、骨・爪・鱗、金属、石。中にはこんなものも…。

 白い細ら長いものは、なんと注射器のキャップ。

 南アで作られた育児用のお守りなんだそうな。

 

 飾る為か魅せる為か分らんが、神像も来ていた。これはパプアニューギニアだったかなぁ?

 顔が貝で装飾されている。

 

 怖いけどアップにしてみる。

 こんな感じだ。

 

 うわぁ( ̄▽ ̄;)と思ったのが歯ですね。何故なら人の歯(部分ではなくホール)だったから。見ているだけで痛くなるわっ!

 虫も翅(ハネ)ならまだ分かるが、オオスズメバチ?の頭部を繋げた首飾りとか…いや、ヤメテクレ( ;∀;)てなものも。

 確かに強いものだから、素材にするのは分かるよ?分かるけど、蜂の生首の首飾りなんて……。

 有機物系素材は人によっては生理的に受け付けられないもの、多いかもしらん。

 

 ハネ繫がりで、こちらは鳥の羽根。

 ブラジルのコンゴウインコの羽根で作ったものだそうな。

 

 ド派手なコレはメキシコのもので、仮面だそうな。

 派手さはないものの、( ̄▽ ̄;)ウワァイとなったのがこちら。

 紐のように見えますが、アフガニスタンラピスラズリ製の極小ビーズ。若しかしたらヴェネチアンビーズの指焦がしビーズより細かいんじゃね? 

 こちらはボツワナの何だかよく分からない首?飾り。

 この他戦闘用の防具やらなんやら色々とありました。

 古代ガラスのビーズも来ていましたが、そこだけ撮影禁止でした。

 ヴェネチアンビーズ、アイヌ玉、トンボ玉とありましたが、アイヌの装飾って青色が基本なのは何でだろうか?服装の染色を見ても、基本藍色で他の色が全くといっていいほどないんですよね。

 

 ビーズにされる前の素材そのものも展示されており、製造工程の映像も幾点かありました。

 ビーズや刺繡って女性がやりそうなイメージがありますが、どちらかというと女性が製造を、男性が製作を担っている感じでした。縫い付ける素材によっては男性でなければ出来ないのもありますが、展示品の中にはそういった物は見受けられませんでした。

 

 素材を学んだ後は、ビーズで世界一周♪ということで、地域別のビーズ作品を見て回りました。殆どが国立民族学博物館所蔵の物でしたが、よくここまで蒐集したものだなぁと思わず関心。

 日本は最後に紹介されていましたが、日本人がビーズなるものを身に着けていたのはいいとこ古墳時代(の上位の人)くらいまでで、本格的に生活に取り入れられたのは戦後だそうだ。或る程度年齢を重ねた方ならビーズバッグが流行った時代があることをご存じかと思う。

 

 ビーズで世界一周をした後はグローバル時代のビーズと称しまして、現在のビーズの新しい使われ方が紹介されていました。

 

 比較的早い時間に来て鑑賞したので、じゃあ次往ってみよ~。と意気揚々と次の展示に向かったのだが、再び戻る羽目に陥った。

 何故ならば、ビーズ展を開催されていた美術館でお財布を落としたから(;゚Д゚)

 あ、でも中身もちゃんと無事で手元に戻ってきましたよ。本当に有難い!いや、本当に!

 

 ちなみにビーズ展は松濤美術館(渋谷というより神泉)、次の目的地はSOMPO美術館(新宿)だったので交通費をそう消費しないで済んだ。

 

 次なる目的↓

 英国キュー王立植物園から、おいしいボタニカル・アート、食を彩る植物のものがたり。

 英国キュー王立植物園が絡むボタニカル・アートは、以前科博で原画展を見に行ったことがある(どちらかというと偶然的ではあった)。

 この展示、キュー王立植物園と銘打っているが、作品の殆どは個人蔵。

 展示は品種別に様々な野菜や果物、市場の様子などが描かれていた。

 

 写真撮影がOK(一部除く)なところは英国で愛された果実のコーナー。現在も同じ品種が作られているかは不明。

 して、以下のようなものがありました。勿論抜粋。

 デヴォンシャー・カレンデン。デザート向きの林檎。

 

 ブラック・シルカシアン。サクランボ。

 ラ・ノブレス。桃。

 

 プレコス・ド・トゥール。プラム。

 

 ブラック・プリンス。葡萄。

 葡萄は展示数が2点ばかりだったが、どちらとも黒っぽい色だった。憧れの果物コーナーにはマスカット・オブ・アレキサンドリアがあったので、一般的に生食されていたのは黒葡だったんだろうな。

 

 次のコーナーは、英国の食文化を塗り替えたものたち。

 先ずお茶、珈琲、チョコレート(カカオ)、砂糖(サトウキビ)、アルコール。そしてその後に憧れの果物と続いた。

 

 食文化を塗り替えたとあるが、ほぼ飲み物なのでそれにつきものであるカップ&ソーサ―やグラス、ボトルなども展示されていました。それから単品では分からないであろうから、当時を再現してみました。というエリアもありました。

 こんな↓

 こういった空間でお茶を嗜んで落ち着く人もいれば、落ち着かない人もいるだろうな。と思った。

 個人的にはテーブルクロスが欲しいと思った。

 

 憧れの果物のコーナーは、石榴、西瓜、レモン、ココヤシ、ピスタチオなど異国色の強いものに加えて、同じものはあるけど高級品種という2種類の憧れに分かれておりました。

 その後に続くは忘れちゃならないハーブ&スパイスのコーナー。

 ハーブとスパイス、実は明確な違いはないようで、ここでは家庭でも栽培出来るものをハーブ、そうでないものをスパイスとしていました。

 

 最後のコーナーはこの時代が展開された、ヴィクトリア朝に書かれたレシピや家政及び、ヴィクトリア朝のダイニング・テーブル・セッティングが紹介されていました。

 レシピ帖の横に〝現在作っても美味しい〟と解説書くくらいなら、写真撮影可にしてくれてもいいじゃあないかあーっ‼

 

 ヴィクトリア朝は現代の食事のマナーの基礎が固められた(明文化された?)時代とも言える。

 

 帰宅し、お茶にしようかと思ったのだが、意外に体温が上がっていたので薄めたスポドとクロワッサン×4。味はプレーンとオレンジとスウィートポテトとチョコ。他には明太子もあったが、辛いのは嫌いなんで買わなかった。

 合うか?と問われたら微妙だが、それぞれは美味しかった♪