昨日の不倶戴天の敵は 今日の刎頚の友

日がな一日世界の傍観者となって独り言をのたくった跡

タータン 伝統と革新のデザイン展に行ってきた

 場所はJR三鷹駅徒歩0分の駅ビルの中。

 で、まぁ、タータン好きな人多いよね。日本ではタータン・チェックと言われるが、そもそもは別物。

 

 チェック⇒2色の小さな正方形で構成された格子柄で、それらの正方形は全ては同じ大きさの物。
 タータン⇒2色以上の色を使い、それらが垂直に交わる格子柄。縦糸と緯糸に使う糸の色と数が同じ。基本パターンが繰り返される。

 但し、タータンには例外もある。

 

 タータンのような格子柄はスコットランドに限らず世界中にあるが、体系化され政府運営の登記所を備え、世界中のタータンを登録・管理していることからスコットランドの象徴とされている。
 ついでに元々はケルトの人々が身に着けていたものだそうだ。

 

 タータンが注目され爆発的に広まったのは、18世紀の機械化によるものやヴィクトリア女王がタータンに魅了され、子供達に着用させたというのが大きな要因のようだ。他には以下の理由もあろうな。
 名誉革命やジャコバイトの反乱、カローデンの敗戦などスチュアート朝に絡む歴史を知っている人なら、一時期(一部の)タータンに負の要素が加えられ禁止された期間があるのをご存知だろう。
 タータンは日本でいう家紋に該当するものもあるので、氏族の矜持を取り戻すという意味合いも兼ねて復活した。
 ここいらへんは話し出すと止まらなくなるので、これでやめておく。
 あと、機械化される前の機織機が使用可能な状態で残っているのだが、動かせる人がいないとのこと。ということは、どれだけ機械化が画期的であったことだというのが想像に難くないかと。

 

 展示は18世紀の都市生活を銅板画家の目を通してみていく→タータンの種類を一挙公開となっている。
 タータンは、氏族とその家族が身に着けられるクラン・タータン、地域に関連したディストリクト・タータン、軍隊用のミリタリー・タータン、王室が用いてきたロイヤル・タータン、組織や企業が作成した、コーポレート・タータン、ダンス・タータンとがある。

 

 クラン・タータンは固有名詞がつけられたものが多いが、その中でも最も有名なのがロブ・ロイ・マクレガー(マグレガーともいうらしい)が身に着けていたという、マグレガー・ロブ・ロイというタータンだろう(←ややこしいわっ)。タータンの中でも例外とされている区分にあるというせいもあるだろうけど。

 して、彼はスコットランド1愛されている男性として名高いボニー・プリンス・チャーリーの父、ジェームズ・スチュアートが(周囲に担ぎ上げられ)蜂起した1715年の戦いに参加している。ロブ・ロイの息子のジェームズ・モール・マクレガーは1745年にチャーリーが蜂起した戦いに参加している。
 あ、プリンス・チャールズ・エドワード・スチュアートというロイヤル・タータンも存在しますよ。ロイヤル・スチュアートというタータンに酷似しているけど、よく見るとビミョ―に違う。

 

 日本の企業のコーポレート・タータンも展示されていました。しかもいずれも登記所に登録済みだと。最も有名な三越伊勢丹のはなかったです。
 あったのは、トンボ学生服、サザビーリーグ、サンリオ、ブルドッグソース。組織ではNPO日本スコットランド協会。
 こういったコーポレート・タータンは現在では1700以上あるとな!


 ダンス・タータンはスコットランドの伝統的なダンス競技に参加するためのユニフォームに用いられるもの。現代的で華やかというか軽やかな色使いで、これを着てダンス競技というのは納得いくなといったデザインでした。

 

 展示の最終章は、多様化するタータン。

 始めの方にタータンに負の要素が加えられたと書いたが、ジャコバイト、プリンス・チャールズ・エドワード・スチュアートやスターリング&バノックバーンというタータンは、いずれもイングランド側からするとその線を外れていないとも読める。
 やり方によっては陰謀、反逆、危険、反抗、権威の侮辱を体現出来てしまうという、パンクやグラムロックには好まれるものにして、非常に便利な存在でもある。
 それで有名になったのがヴィヴィアン・ウエストウッド。同じタータン使いでも、バーバリーとは逆方向。

 そういった歴史も踏まえて、現代のデザイナーさん達が作った服や靴、調度品の数々が展示されていました。後ろや横からも見る事が出来るのが展示の良いところ♪
 んーまぁ、こういう展示には有り勝ちな中年以上のオバサマ方の耳障りなおしゃべり付きでしたがね。

 

 その他、日本に入ってきたタータンの遍歴も展示されていました。
 広告など意外にすそ野が広かったのと、よく集めたな。というのが率直な感想。
 男性はアイビールックや雑誌の『MEN'S CLUB』からの影響が強いようです。女性は特に70年代に青春を送っていた人達からすると、ベイ・シティ・ローラーズの影響を受けたというのもあるようだ。

 

 見終えた後、ショップに行ったらやっぱりありましたね。ショートブレッド。しかも種類が豊富だった。
 スコットランドショートブレッドイングランドのとは違ってトウモロコシ粉を使っていることが多く、気候の所為もあって若干甘め。
 でー、値段が高い。ポンドがどうのではなく、原材料に妥協しないからどうしても単価が高くなる。そして日本のこの時期にたっぷりのミルクティーショートブレッドが、これまた合うんだな~(←気色悪いからヤメレ)


 ……はい、誘惑に負けました。

 

 そして場所は駅ビル。地下には、はい、そうですね。食品売り場が…!
 野菜が安かったのと、春の味覚こと茎わかめなどがあったので購入。面倒だからといってそこで牛乳まで購入したのはただの莫迦だろう。
 その他パンなどを購入したら、行きには殆ど空だったリュックが、ほぼマックスに近い30ℓの大きさに…(←何を買った?何を!?)
 大きくなるのは仕方ないんだよね。トレーに乗っけて購入するパン屋の包装は、潰れないように大きめのパッケージに入れてくれるから。潰れるだけなら兎も角、それで中身が出たらとても悲しいし。  

 

 購入はしなかったのだが、謎だったのがマイクロウェイブで作るポップコーン。ソルトやバターといったテイストはいい。何故に山葵味がある?パッケージを見る限り西洋山葵ではない。…一体ブルガリアは何を考えているんだ?(それはブルガリア産だった)

 

 帰宅後はお茶の代わりにホットミルク。
 お茶請けはレモンのデニッシュと、ダークチェリーのパイ。だけでは足りず、クイニーアマンもプラスした。

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 所謂一つの防寒対策というやつですね(←殴)。