場所は上野の都美術館。正直桜の頃はあまり上野には行きたくない。確かに綺麗なんだよ。けど、人が多過ぎることに加え、花見で酒の入ったバカ騒ぎをしているのを見るのは不愉快なんだよ。なので、自分は酒類や音楽などの持ち込み禁止の場所に行く。ついでに一番近いところは新宿御苑。
上野は場所と品種によっては満開だったが、全体的に3分咲きくらいでしたね。
会期末期にも関わらず、比較的空いていた。作品数が少ないので、作品同士の空間があり観易かったのも一つの要因だろうけれど。
今回は額縁に入っていない板絵が多く、額縁によって絵画の印象って結構左右されるものだなぁ。と別の意味で感心した。
色彩の展開の仕方の所為なのか、CGを思わせるようなものが多かった。逆に言うとCG特権のイラストもある程度人の手で再現出来るんだな。とも。どれだけの技量を要するか分からんけど。
アトリビュートをある程度知ってはいるので誰が誰だか分かりはしたが、ユディトとサロメはよく似とる。まぁ、サロメは銀盆の上に生首乗っけていることが多いから、知っていれば分からなくはない。
パルマ・イル・ヴェッキオの《ユディト》は今まで見た事のないような豊満な女性でしたが、絶対この人もち肌だろうな。と思わせる筆使いだった。
今までに見た事がないといえば、ボニファーチョ・ヴェロネーゼと助手が描いた《最後の晩餐》。キリストの右隣にいて美青年系に描かれるヨハネだが、彼は転寝していてテーブルに伏していた。
ユダって一般的な名だったようで、13人の弟子の中にユダって2人いるが、裏切り者のユダは黄色い衣を着ていたり袋を持っていたりしていることが多いのだが、今回それはなし。但し絵画の下の方に猫が描かれていたので、分かる人には誰がユダか分かったかと。西洋絵画において、猫は不信や裏切り、不誠実、ふしだら、使い魔、悪魔を意味するから。
他にはマルコ・パルメッツァーノの《死せるキリストへの香油の塗布》。
香油作りの守護聖人、マグダラのマリアがキリストの身体に香油を塗っているという構図。これは今まで見た事がない。
一番最後に展示されていたパオロ・ヴェロネーゼの《聖家族と聖バルバラ、幼い洗礼者聖ヨハネ》は、金色の表現が秀逸でした。
金色というか金糸やその刺繍の表現が巧みだったのがフランチェスコ・ヴェチェッリオ(ティツィアーノの兄)。確かに油彩ではあるのだが、光の反射の仕方を見ても本物そっくり。驚いたよ。
油彩の他には版画が十数点。ほぼスキアヴォーネの作品だったが、全て個人蔵。同じ人か分からないが、どうやって探し当てたんだろう?
ヴェネツィア云々言ってはいるが、所蔵先の多くが当世ヴェネツィアとライバル関係にあった都市、フィレンツェのウフィツィ美術館。他はナポリのカポディモンテ美術館。ヴェネツィアが所蔵しているのは5点のみ。場所がよく分からないのだが、ヴィチェンツァのキエリカーティ宮絵画館というのも所蔵品数が多かった。
会場を後にして、すすいっと買い物をして帰宅しました。
本日のお茶。
お茶は天竜川流域の普通蒸し煎茶。
お茶請けは静岡県浜松市巖邑堂さんの花明かり。
2煎じ目と共にもう一つ。という無茶をしてみた。
こちらは滋賀県愛知郡はしろ平老舗 岩佐 昇さんの。和菓子としか書かれていなかったので、銘は不明。